ACEA C5/C6 要求の車に ACEA C3/C4 オイルは使用可能か?
問い合わせを頂くことが増えてきましたので改めて整理しておきます。
最近の欧州車でACEA C5要求の車が増えてきました。
今後ACEA C5、C6要求の車が増えてくると予想されます。
Unil opal(ユニルオパール)ラインナップでもACEA C5/C6のオイルが増えてきました。
ACEA C5
OPALJET FE-V 0W-20
OPALPERF EXTEND FE 0W-20
OPALJET POWERBOOST 5W-20
ACEA C6
OPALJET ACE FE 0W-20
ACEA C5/C6要求の車にACEA C3/C4は使用可能でしょうか?
ACEA C5/C6 の詳細
ACEA C5/C6はどちらもSAE粘度が0W-20や5W-20などxW-20の規定となります。
HTHSは2.6mPa・s以上2.9mPa・s未満
硫酸灰分(SA値)=0.8%wt未満(C2、C3と同等)
C6規格はさらにチェーン摩耗、LSPI対応が加わります。
詳しくは下記のブログ記事をご参照ください。
ACEA C3/C4 の詳細
HTHSは3.5mPa/s以上
硫酸灰分(SA値)=C3 :0.8%wt未満 /C4:0.5%wt未満
となります。
簡単なACEA C規格の紹介を下記の記事でしております。
ACEA C5/C6 要求の車に ACEA C3/C4 は使用できるのか?
一般的にHTHSが高いとエンジン保護性能と性能維持が強く、HTHSが低いと省燃費性が高いと言われます。ACEA C5/C6 のHTHS2.6~2.9に対してACEA C3/C4 のHTHS3.5~のオイルを使用することは可能か?
結論から言うと可能です。ただし注意点はあります。後ほどご説明いたします。
ACEA C5/C6 のSA値規定0.8%wt未満 に対してACEA C3のSA値は同規定、C4は0.5%wt未満となり、上限規定は設けられていないので、使用可能と判断できます。こちらは特に注意点はありません。DPF/GPFに対しても問題ありません。
ACEA C6 にのみ規定されているチェーン摩耗、LSPI規定については、ACEA C3/C4では規定されていません。規定はされていませんが、ACEA C3/C4でも対応品がありますので、対応品であれば使用可能です。
ACEA C5/C6 要求の車にACEA C3/C4オイルを使用するときの注意点は?
使用可能という判断をする上で注意点が何点かあります。
HTHSの値を要求値以上のものにすると、エンジン保護、性能維持の点では要求以上の性能があると判断ができますが、一般的にHTHSを高めることでエンジン内部のオイル分子による摩擦や抵抗が大きくなり、油温の上昇や燃費に影響することがあります。
車種によってはアイドリング不調やオイルポンプの不良を引き起こすことがありますのでご注意ください。
純正指定粘度または純正指定規格から外れるものを使用することにより、新車保証から外れることになりますので、保証期間については純正指定規格の使用をお勧めします。
ACEA C5/C6 要求の車にACEA C3/C4オイルを使用した方が良いケースとは?
ACEA C5/C6 はxW-20と低粘度であり、最近の傾向としては直噴エンジンやクリーンディーゼルの車にもACEA C5を要求する車も増えています。
直噴エンジンやディーゼル車では燃料希釈が発生しやすく、燃料希釈により粘度がさらに柔らかくなることが懸念されます。
燃料希釈により柔らかくなったエンジンオイルでは密閉性が保てなくなり、不完全燃焼によるカーボン・スラッジの発生を促進させます。
そういった悪循環を引き起こしやすい環境の場合、ACEA C5/C6要求の車にACEA C3/C4規格オイルの使用をお勧めします。
具体的には
・渋滞が多い
・ちょい乗りが多い
・ストップアンドゴーが多い
・総走行距離が多くなってきた
などの場合にはACEA C3/C4規格オイルをお勧めします。
下記ブログ記事もご参照ください。
上記のような走行環境でも保証期間内の場合は純正規格を使用する必要がありますが、その場合はオイル交換頻度を増やして頂くことで多少のトラブルは避けられます。
ACEA C5/C6要求の車にACEA C3/C4規格オイルの使用可能な条件については上記の通りですが、様々な要因をもとに判断する必要がありますので、ご不明な点はお問い合わせください。