ACEA(欧州自動車工業会)規格がアップデートされACEA2021となりましたが、詳細についていつの間にか発表されていたので少し調べてみました。
以前の記事でACEA2020版について書きましたが、施行が遅れACEA 2021になりました。
https://unilopal.jp/2019/12/acea2020/
https://unilopal.jp/2021/05/acea-c6/
A/B規格はA1/B1、A3/B3規格がなくなり、A7/B7規格が新設されました。


A7/B7規格は大枠ではA5/B5規格にチェーン摩耗、LSPI規定を追加したものになっています。

HTHS
A3/B4 3.5 mPa∙s以上(=C3,C4相当)
A5/B5、A7/B7 2.9~3.5 mPa∙s  (=C2相当)

TBN
A3/B4  10 mgKOH/g以上 
A5/B5  8 mgKOH/g 以上
A7/B7  6 mgKOH/g 以上

A7/B7 のみ規定
2.8 Turbocharger Compressor Deposit (Diesel) (トヨタ規定)
2.9 Low Speed PreIgnition GDI Turbo (フォード規定) 
2.10 Chain Wear GDI(フォード規定)

C規格はC1規格がなくなりC6規格が新設されました。
C6規格はC5規格にチェーン摩耗、LSPI規定を追加したものになっています。

HTHS
C5,C6 2.6~2.9mPa∙s
C2 2.9 mPa∙s以上
C3,C4 3.5 mPa∙s以上

硫酸灰分(Sulphated Ash)
C2,C3,C5,C6 0.8 % m/m以下
C4 0.5 % m/m以下

C6 のみ規定
2.8 Turbocharger Compressor Deposit (Diesel) (トヨタ規定)
2.9 Low Speed PreIgnition GDI Turbo(フォード規定)
2.10 Chain Wear GDI (フォード規定)

C1規格がなくなったことによりC1規格を要求していたランドローバーディフェンダーのディーゼルやヨーロッパでのマツダの適合オイルはどうなるのでしょうか?おそらくディフェンダーはランドローバー独自規格、マツダはC5またはC6あたりになるのでしょう。

ちなみにACEA C1、C2両取得オイルというものがあるみたいですが、C1(2016)規格のリン分は0.05% m/m 以下、C2(2016,2021)規格のリン分は0.07~0.09% m/m となるため両取得オイルは存在し得ないはずだと思っています。それ以前のC2(2012)規格では下限規定がなかったのでC1(2016)/C2(2012)両取得オイルはあり得ます。

ACEA規格取得、と言ってもいつのACEA規格なのか、ということも大事ですね。

弊社ウェブサイトの商品情報には、いつのACEA規格なのかも表示されていますので、その点にもご注目ください。

次はACEA規格のリリース年によっての違いなんかも調べてみようかと思います。

参考URL
https://www.acea.auto/files/2021_ACEA_oil_sequences_light-duty_engines.pdf