API規格に新たにSPがリリースされ、LSPI(Low Speed Pre-Ignition=低速早期着火)対応とチェーン摩耗規定が加わりました。
同様にACEA規格に C6、A7/B7が加わり、こちらもLSPI対応とチェーン摩耗が規定されています。

両規格ともLSPI対応とチェーン摩耗規定がありますが、どう違うのか疑問に思ったので調べてみました。

LSPIについては以前書いたこちらの記事をご参照ください。

結論から言うとどちらも同じでした。
両規定とも下記のテストをしています。

LSPI規定
Sequence IX, Ford
ASTM D8291 LSPI TEST
Average number of events for 4 iterations ≦5
Number of events per iteration  ≦8
フォードのエンジンテストにより、1回のテストでプレイグニッションが8回以下
4回の平均で5回以下

チェーン摩耗規定
ASTM D8279 Chain Wear Test 
Sequence X, Ford
Elongation of Timing Chain  ≦0.085
こちらもフォードのテストで、タイミンチェーンの伸びが0.085%以下

API:SPとACEA C6で異なる部分はどこ?

Volatility=揮発性
API:SP 250℃1時間のテストで最大15%
ACEA :C6 250℃1時間のテストで最大13%
(※ACEA C4 は同テストで最大11%)

Sulphur=硫黄分
API:SP 0.5%以下
ACEA:C6 0.3%以下
(ACEA C4 0.2%以下)

Phosphorus=リン分
API:SP 0.06%~0.08%
ACEA:C6 0.07%~0.09%

Sulphated Ash=硫酸灰分
API:SP 規定なし (API:CK-4,FA-4では1.0%以下)
ACEA:C6 0.8%以下
(ACEA C4 0.5%以下)

HTHS Viscosity=High Temperature High Shear Viscosity (高温高せん断粘度)
API:SP 規定なし (API:CK-4 3.5以上、FA-4 2.9~3.2)
ACEA:C6 2.6~2.9
(ACEA:C4 3.5以上)

このほかにもAPI:SP、ACEA:C6それぞれの独自テストがありますが、すべてを記載するのはやめておきます・・・・。

意外だったのはAPI:SPにHTHS規定がないことです。
ロングライフを求める欧州規格の特徴ということでしょうか?

欧州車ではガソリン車でも概ねACEA C規格を要求しています。
GPF装着車も増えているのでACEA C規格要求の欧州車にAPI:SP規格オイルの使用は十分に注意が必要と思われます。

さらに欧州車にはACEA 規格のほかメーカー独自のテストをしてアプルーバルを出しているので、メーカーごとの使用可能オイルが非常に細分化されます。

ユニルオパール製品でも同じ5W-30の粘度の商品でもメーカーアプルーバルにより8種類の商品があります。

OPALJET MILLENIUM4 プジョー、シトロエン
OPALJET ENERGY3 VW、MB、ポルシェ
OPALJET LONGLIFE3 MB、BMW
OPALJET LONGLIFE DEX 1.2FE  日本車・アメ車
OPALPERF SUPREME ランドローバー、マツダ
OPALJET POWER フォード、ジャガー、ランドローバー
OPALJET X-TREME ルノーRN0700/0710/0720
OPALJET X-TRIUM ルノーRN-17

調べれば調べるほど情報が多く判断が難しくなってしまう気がします・・・・。

ご不明な点がありましたら弊社までお問い合わせください。