クーラントにも種類があるのはご存知でしょうか?

大きく分けて3種類あるようです。

IAT(Inorganic Acid Technology)
OAT (Organic Acid Technology)
HOAT(Hybrid Organic Acid Technology)

ベースとなるのはOATでそれ以前のものがIAT、その2つのミックスがHOATです。

HOATにも種類があり、

HOAT(Hybrid Organic Acid Technology)
POAT (Phosphate Organic Acid Technology)(またはLobrid)
SHOAT(Silicate-Enhanced Hybrid Organic Acid Technology)

と内容成分により細分化されます。

各メーカーの指定については下記サイトで詳しく掲載されています。
http://www.pqiamerica.com/Antifreeze_Coolant_Timeline.pdf
https://natrad.com.au/wp-content/uploads/2019/07/Chiron-Coolant-Selection-Guide.pdf

 

IAT/OATの違いは防腐剤で、元々のクーラント(IAT)で使われていたリン酸等から有機酸(Organic Acid)に変えることでクーラントの寿命を延ばしたと言われている様です。その後ケイ酸塩などの防腐剤を使用することでさらに寿命を延ばしています。

 

ここで一つ疑問が。
http://www.pqiamerica.com/Antifreeze_Coolant_Timeline.pdf

このサイトでは日本を含むアジアの自動車メーカーではHOATの後にPOATが指定になっています。
POAT=Phosphate Organic Acid Technology
つまりリン酸を使用しています。

IATからOATに移行する流れの中で、一度使用しなくなったリン酸を再び使用することになったのはなぜでしょうか?

 

同サイトでアウディ、VWはSHOAT指定の後にOATとなり、SOAT(Silicate-enhanced Acid Technology)になっていますが、一度使用をやめたSilicate=ケイ酸塩を再び使用したものに変更されているのはなぜでしょうか?

 

まだまだ調べなくてはいけないことが沢山ありそうです。

 

ただ現時点で欧州メーカーの指定がHOATまたはOATで、日本車メーカーはPOATですので、リン酸塩の使用について制限がある場合は日本車向けのクーラントは輸入車には合わないことになります。

https://me.caltexlubricants.com/en_me/home/learning/from-chevron/industrial-machinery/coolants-102.html

こちらのサイトには
Si-HOAT (or Silicated OAT): Silicated hybrids are mostly used in Europe. In Asia, especially Japan, problems with water pump seals and poor heat transfer have led to the ban of coolants containing silicate. Silicate IATs are very effective against corrosion, but deplete very quickly, and the resultant low silicate content in the IAT has negative effects on the cooling system.

SHOATまたはSOATは特にヨーロッパで使用され、日本ではウォーターポンプのシールと熱伝達の低下によりケイ酸塩を含むクーラントの使用が禁止されている。ケイ酸塩IATは腐食に対して非常に効果的だが、消耗が非常に速く、ケイ酸塩含有量が低いと冷却システムに悪影響と書かれています。

 

つまり日本ではシールに対する攻撃性と熱伝達の低下のためケイ酸塩は敬遠され、ヨーロッパの場合は腐食に対して効果的なケイ酸塩を使用するケースが多い、ということでしょうか?

 

化学は得意ではないのでわからないことが多いです・・・・。
引き続きクーラントについて調べてみようと思います。

 

※サイトにより種類や表現が変わりますので、表示が一定ではありません。ご了承ください。