ACEA (欧州自動車工業会)の規格はA1/B1~A5/B5、C1~C4、E4~E9など、ガソリンエンジン・ディーゼルエンジン・トラック等、内燃機関や種類により規定されていますが、2016年(と言ってもあと1か月ですが・・・・・)に新たな規定ができる様です。

参考URL:
http://fuelsandlubes.com/acea-2016-with-new-c5-category-now-projected-to-be-released-in-june/

記事によるとA1/B1規格がなくなり新たにC5規格が設定される様です。

 

詳細がまだ分かりませんのでここからは推測になりますが・・・・・。

 

現在のA1/B1規格はHTHSを2.9~3.5mPa・s(マルチグレードの上が20のオイルについては2.6mPa・s以上)を規定しています。A1/B1規格をなくしてC5規格を新設するということで、おそらくA1/B1を継承しDPFに影響のあるリン・硫黄・硫酸灰分等を規定するものだと予想されます。

ただ、現在のC1・C2規格はHTHS 2.9~3.5でかつリン・硫黄・硫酸灰分を規定しているため、C1・C2規格とC5規格の差をどこで付けるか想像できません。

2017年にEURO6の排ガス中のPN規定値がより厳しくなるためそこに対応した新たにリン・硫黄・硫酸灰分の成分量を規定するのかもしれませんね。

もう一つ気になる規格があります。

VOLVOの独自規格で VCC RBSO-2AEという承認番号の規格があり、ユニルオパールの当該承認オイルも2017年1月ごろに販売を開始する予定です。

VCC RBSO-2AEの規定が少し今までと異なる点が見受けられます。

まず指定粘度が0W-20でより省燃費性を求める規定になっています。これは日本車の純正指定が低粘度化していく点と同様です。

欧州車の指定粘度も10W-40から5W-40、5W-30、0W-30と変化していますので傾向としては0W-20に移行していく点は理解できます。(本当にエンジンに対して良いのかという点は置いときます)

VCC RBSO-2AEはガソリン・ディーゼル両エンジンについての規定ですが、リン・硫黄・硫酸灰分の規定が今までのC規格に当てはまらない気がします。

純正オイルのSA=硫酸灰分値が0.83%wtとなり、0.8%wt未満と規定するC2/C3は非適合です。(C1/C4は0.5%wt未満)

現在の適合はA1/B1ですが、次のACEA規格ではなくなる規格です。

VCC RBSO-2AEはリン・硫黄・硫酸灰分の値を厳しく規定したLOWSAPSではなくMIDSAPSになります。一般的にはオイルの潤滑性を上げる添加剤としてリン・硫黄が使われることが多いものの、DPFへの影響でかなり抑える必要がありました。

VCC RBSO-2AEはディーゼルエンジンも含めた規格ですが、一般的に潤滑性を上げるために用いられるリン・硫黄の成分値の下限・上限を定め、その範囲内に収めることで一定の潤滑性を持たせ且つDPFへの影響を抑えたものになっているのではないかと考えられます。

今までのACEA C規格はリン・硫黄の上限を定めるもののみとなり、下限を定めてはいませんでした。

新しいACEA C5は上限のみではなく、下限も含めて規定するMIDSAPSになるのか、もしくは低粘度0W-20の規定を加えたものになるのか、と予想しています。

いずれにせよ分かり次第記事にしようかと思います。

欧州規格は奥が深いですね・・・・・・・

2/7追記
その後ACEAの新規格が発表されていました。
https://www.acea.be/uploads/news_documents/ACEA_European_oil_sequences_2016.pdf

A1/B1規格がなくなりxW-20の規定値がC5規格に継承され
HTHSが2.6mPa・s以上2.9mPa・s未満
SA値=0.8%wt未満(C2、C3と同等)ということで

硫黄・リンの内容成分についてはC2、C3、C5は同等、
HTHS値によって2.6~2.9=C5
        2.9~3.5=C2
        3.5以上=C3
という分類になるようです。

今後も何か分かり次第報告いたします。