【直噴エンジン】 LSPI = 低速早期着火について
LSPIってご存知でしょうか?
Low Speed Pre Ignition=低速早期着火
直噴エンジンで見られる問題で、先日ACEA新規格についての記事で少しふれました。
エンジンオイル内に含まれるカルシウム分が燃焼室内で熱を持ち自然着火することで通常の点火タイミングよりも早期に爆発を起こし不完全燃焼やノッキングを起こします。直噴エンジンのカーボン発生の一つの要因であると言われています。
エンジンオイルがシリンダ壁面とピストン・ピストンリングの間で潤滑・清浄・密閉等の働きをしていますが、シリンダ壁面にあるエンジンオイルを直噴エンジンが高圧で燃料を噴射することで燃焼室内に気化または油滴として流れ込み、燃焼室内で空気と共に圧縮されることでカルシウム分が火種として着火を促します。
エンジンオイル内のカルシウム分といえば主に清浄分散剤として使用される成分として含まれます。
カルシウム分を使用しなければいいのですが、そう簡単にはいかない様です。
以前はCaスルホネートという清浄分散剤が主流でしたが、ディーゼルエンジンや最近のガソリンエンジンではエンジンオイルに含まれる硫黄分がDPFなどの排気フィルターを詰まらせたり劣化させる原因になっていたため使用が制限され、
Caサリシレートという清浄分散剤が使用されるようになりました。
Unil opalのオイルは内容成分を公表していないため何を使用しているかは不明なので、一般的な流れと個人的な見解で書いています。
今回LSPI対応オイルにCa成分を制限されることになれば、また新たな清浄分散剤を使用する必要があります。
色々調べてみるとMgスルホネートを使用、という記事が多いですが、
Mgスルホネートも硫黄分を使用しているため、ACEA C規格取得は難しそうです。
Unil opalからもLSPI対応オイルが数種類リリースされました。
OPALJET MILLENIUM4
5W-30
プジョー・シトロエンのメーカー承認を取得したMILLENIUM3の後継として
1.2Lや1.6L直噴エンジン向けのLSPI対応オイル。
ACEA C2規格取得でPSAディーゼル車にも使用可能です。
OPALJET LONGLIFE DEX 1.2FE
5W-30
LONGLIFE3の後継でドイツ車やアメリカ車の直噴エンジン向け商品です。
GM,FORDのメーカー承認とILSAC GF-5取得です。
APIの新規格にも対応していくと思われます。
OPALJET FE GF-5
0W-20
一部のアメリカ車と日本車の直噴エンジン向け商品です。
クライスラー、フォード、GMのメーカー承認とILSAC GF-5に対応しています。
MIDSAPSのためACEA C規格には非対応ですが、API新規格には対応する見込みです。
LSPI対応オイルについては2015年あたりから言われていますが、ACEA C規格、API規格に盛り込まれることが決まっているため各社対応してくると思います。
価格・納期等はご連絡頂ければお答えいたします。